驚異のエフェクター!

下地イサム

驚異のエフェクター!

いやー、驚きました!
エフェクターですよ。
ギターの音を太くしたり歪ませたり、いろんな音色に変えたりするヤツです。
今までコツコツ欲しいものを買い集めて来たのです。
ところが3日前にアマゾンで購入したたった1個のエフェクターがですね、驚きの代物でした。大きさは標準のエフェクターと同じサイズなのに、今まで買ったエフェクターの種類が全部入っていました。いえいえ他にも何十種類ものエフェクト機能が内蔵されているのです。それぞれ違うエフェクターを6個まで同時に使うことができるという優れもの!で、お値段が驚きのー!!
いやはや、グランプリ級のコスパです。
これはエフェクター界の革命ですな。これ1個あればという世界です。

エフェクターが入ったハードケースを持ちながら移動していた旅のスタイルが大きく変わろうとしています。
思えば本番当日、ホテルから遠い会場にたどり着いた時、そのケースを忘れてしまったことに気が付いて、慌てて取りに戻ったこともありました。夏の暑い日でした。電車を乗り継いで戻り、駅からホテルまでダッシュしてそのケースを取り、また駅に走って電車に飛び乗った時には、全身汗びっしょりになっていました。電車がゆっくり動き出した時、ふと我にかえりました。汗だくでハードケースだけを持っている男は、完全に怪しい人なのです。ギターを一緒に持っていれば違和感はなかったはずですが、ケースだけを持って全身に汗をかいているというだけで、もうどうしても爆弾を持っている人に思われているー!自分の汗が気になり出して気が気じゃなくなったとたん、首筋から、背中から、脇から、ますます滝のように汗が吹き出してきました。ますます怪しい。ますます意識する。ますます汗が出る。負のスパイラルに歯止めが効かなくなり、最高潮に怪しい汗かき爆弾犯という、予想だにしなかった自意識に襲われ続けました。

ということで、そんなトラウマのようなエフェクターケースともお別れです。さようなら。

でもね、愛おしいんだな。
今まで買ったエフェクターたちを見捨てるわけにはいかないよ。それを言っちゃあおしまいよ。
寅さんがどんな時もトランクを手放さなかったようにね。
でもやっぱり置いていこうかな…

とまぁ、こんな風に悩むほどの代物ってわけです。優れものには間違いありません。
おやすみなさい。