フレーズは最強!

下地イサム

フレーズは最強!

毎日ブログを書いていて、僕はあることに気付きました。
それは、文章にも美しいフレーズがあるということです。(もちろんあるでしょう、と言われるのはわかっていますが)何というか、リズム感みたいなものですかね。
一つひとつの語彙力に卓越していたとしても、全体の文脈の流れでそれが絶妙なリズム感を持っているか?みたいなことです。うまく言葉では言えませんけど。それができなくて何度も書き足しや削ぎ落としを行ってきたこの1年が語るように、僕はまだまだその域になど達していません。今やっと解り始めたというところです(笑)。

たとえばギターでアドリブ演奏をしようと思ったら、音符1個1個の組み合わせを考えるよりも、全体のフレーズとしてイメージする。この楽曲のイメージに合うフレーズかどうかということですね。「考えるな、感じろ!」の、ブルース・リーの世界です。そう、かのブルース・リーも、一つひとつのカンフーの型を「今はこれ、次はこれ」という風にカンフー理論に忠実に闘っていたのではなくて、相手との「今しかない間合い」の中で感じるままに身体が動いていたはずです。それはきっとカンフーのフレーズのような世界だろうと思います。もちろんそこに至るまでの礎の積み重ねがあってのことだと思いますが。
音楽で例を挙げると「ホテルカリフォルニア」のギターソロ。一度聴いたら忘れられない強烈な印象と、絵画的な世界観を持ったあのフレーズは、世界にごまんとある楽曲の中で、なかなか出会うことのできないものです。
このフレーズというものは、あるいはフレーズ的概念と言ったほうがいいでしょうか、もしかしたら世の中の普遍的な真理ではないだろうかとさえ思えてきます。身の周りの世界を、フレーズ的な視点で捉えてみると、見えるものが印象として違ってくるのかもしれません。
たとえば演奏はまだまだ未熟な人が、毎日老人ホームで演奏しておじいちゃん、おばあちゃんたちを喜ばせているとしたら、これは一連のフレーズ的視点では(演奏を含め)素晴らしい!
逆に、一生懸命汗を流して乗組員として働いている人の船が海賊船だとしたら、これはフレーズ的視点としては反社会的なので良くない。というような。

ところで方言を喋ろうと思ったら、やっぱりフレーズです。1個1個の単語を覚えるという考え方ではなくて、フレーズで覚えることで、その中にある単語をあとから知る、これが一番速いです。
一日の動きには一つひとつの動きがありますね。単語に近い言い方だと、朝目覚める。起きる。歯を磨く。朝ご飯を食べる。こうした一つひとつの動きを覚えていくのも大事ですが、たとえば「朝、鳥の声で目が覚めたが、少し頭が痛くてすぐには起き上がれなかった。でも仕事に行かなくてはいけないから、何とか起きて朝食を食べた」みたいなフレーズで覚え、何度も復唱して丸暗記していきます。日記のように毎朝の様子をそれぞれ違ったフレーズで一つずつ自分の引き出しに入れていくことで、あとはアドリブの世界に入っていくことができます。誰にでもできます。その時の間合いで、自動的にしかも無作為にフレーズが組み立てられて出て来るようになります。

って、方言を喋ろうとする人がどれだけいるかって話ですよね(笑)。
でもこれはあらゆる語学に適用できると思いますよ。
フレーズ丸暗記術!これはきっと最強です。
ああ、フレーズって素晴らしい!