たったの20分

下地イサム

たったの20分

昨日僕は生まれて初めて座禅を体験してきました。

そうなのか、と自分でも不思議に思うぐらいなんですが、

 46年間生きてきて本当に初めての経験でした(笑)。

この世の中には、まだまだ未知の世界があるんですねぇ。

たった20分という時間でしたけど、

僕にとってそれは非日常的で、

何と言うか、新鮮な境地に向かう20分でした。

20分という時間はどのくらいの長さでしょう?

ライブでいうと、3曲ぐらいですか。

それはもうあっという間ですよ。

というより、日々の暮らしの中で僕らは、

あまりにも数多くの20分を、

無意識のうちにやり過ごしているのではないでしょうか。

しかし座禅の世界の20分は違いました。

静寂の中で少しずつ、本当にちょっとずつですが、

無心の境地に向かう自分を感じることができたのです。

生きていると、あれもこれもと、いろんなことに追われたり、

考えなくていいことまで考えたりしますよね。

そんなものの一つひとつが、心の中のふるいにかけられて、

余分なものが少しずつ落ちていって、

最後に無になっている自分だけが残った、みたいな感じです。

たった20分で何を大げさなことをと笑われるかもしれません。

確かに無になってはいませんでした(笑)。それはとても難しいですね。

でも、それを想像できただけでも意味のある時間だったと思います。

周りの喧騒から離れて、静かに己の呼吸だけを感じるような、

そんな瞑想の時間というのが、もしかしたら忙しい現代人の私たち

にこそ必要なのかもしれませんね。

空白なのに意味の詰まった、

そんな20分、あ、いや30分でも1時間でも、

みなさんの日常にもいかがですか?