沖縄の夏の一日

下地イサム

沖縄の夏の一日

今日は県内の小中高生は休み。
毎年訪れるこの日のその意味を考えながら正午を迎えた。
黙祷をし、遠いようでそう遠くもないあの夏の日に思いを馳せる。
平和の世に感謝しながら、それを子や孫達のために残していく責任があることを強く思った。

外に出たら3分とたたないうちに汗が滴り落ちて、身体はすぐに水分を欲しがる。
事務所に着いて冷蔵庫を開け、炭酸水のペットボトルを取り、フタを回すと「プシュっ!」と言った。
その音は何かたまっていたものが一気に噴き出す感触を手に与える。
その音は楽器では奏でることができないだろうと思う。
ギンギンに冷えた炭酸の泡が喉を刺激して、身体中の細胞の一つひとつに入り込んで行くような感じがした。

部屋に置いてあるキーボードの鍵盤が目に入る。
その並びは、白と黒、
という風に単純に分けられないものを持っている。
その白と黒だけで無限の音を奏でることができる。悲しみも喜びも。