波に浮かぶ空き瓶

下地イサム

波に浮かぶ空き瓶

それは紙一重のバランスを保ちながら、
果てしないリスクを背負って浮いている。
その小さな口にひとたび波を飲み込んでしまえば、
底知れぬ深みへと沈んで行く。
どこまでも落ちて行く。
そして二度と浮き上がることはない。

地球環境、世界秩序。
世界経済までもが空き瓶にならないことを祈ろう。

ただ一つだけ我々に出来ることは、
波風が立って凪が崩れないように、
知恵を絞り合って空き瓶を浮かし続けること。
その知恵の力と可能性が、
我々人類にだけは与えられていることも確かだ。