下地イサム

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ロンドンからハロー

みなさん元気ですか?
わたくし下地はロンドンにおりますよ~。

12時間に及ぶダイレクトフライトでした。
機内では一睡もできず、少しふんわりとした気分でロンドンに
降り立ちました。

いや~、しかし空港を出てロンドンの街並みを観たとたんに
ぐんぐんテンションが上がりましてね、何でもできるような
気分になっていきましたよ。はは、ワケがわからないですね。

ホテルでチェックインしたところ、
3階のお部屋ですけど、
4階ですから間違わないでくださいね、
エレベーターは無いので階段でどうぞ。
と、
フロントのお姉さんが丁寧な母国語で説明してくれました。

ふんわりとした心持ちのままギターを背負い、超重量級の
スーツケースを抱えて後ろを振り返ると、
狭くて急勾配の階段が、「さぁ上ってみろ」と言わんばかりに、
英国の歴史の重みと風情とを携えて、ドッシリとたたずんでい
るように見えました。
厚手のじゅうたんが、またひときわ美しいのです。

踊り場の無いその階段は、見た目以上に僕らを疲れさせました。
まだ1曲も歌っていないロンドン初日ですけれども、
早くも最大の山場を迎えたかのような、巡礼のような階段上りで、
さすがにくじけそうになりながら、やっとのことで4階の部屋にたどり
着いたというわけなんです。
エレベーターに慣れすぎた日本人を、ロンドンがチクリと戒めたの
かもしれませんね。
ノープロブレムです。

いやいや、
そんなことはどうでもいい話なんです。
とりあえずライブの時間が迫ってきたので、あとは写真を見てください。
のどかでゆったりと、どっしりとした風格のある国に間違いありません。
アビーロードスタジオにも行ってきました。
ライブの様子などはまた次の更新でお伝えします。
シーユー。

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明日は記念すべき30回

みなさーん、本当にありがとうございますねー。

明日は「SweetHome勢理客LIVE」vol.30ですよ。

2ヶ月に1回の隔月ライブなので1年に6回、

ということはちょうど丸5年になるわけですね。

なんとまぁ。

でもまだ5年しかやっていないといえばそうですけどね。

とりあえず100回は続けたいと思います(笑)。

がんばります。

おいらの相棒グレッチのアコギが、

年々傷を増やしながらも、ぴったりとおいらに寄り添って

付いてきてくれるんで、心強いんだなぁ。

もっといいメロディーを奏でたいらしいんだなぁ。

がってんだいっ!!と即答してやりたいところだけど、

安請け合いは禁物。なかなかそう簡単には生まれませーん(笑)。

でも気持ちはいつもそうありたい!

こいつが体全体を打ち震わせんばかりに喜んで奏でるメロディーを

作れるのか?

作ればいいさ!

あ、いや、作ります!!

いいメロディーができたときの喜びもひとしおだけど、

いいメロディーを生み出したいと思ってずっとそこに向かっている時間が、

たとえそれができなかったとしても、僕は一番好きなんだなぁ。

そうやって出来上がったメロディーの、

ほんの一部ではありますけど、明日皆さんにお届けします。

そうは言ってもたっぷりとお届けします。

勢理客交差点角の地下のお店「groove」へ

皆さん是非遊びに来て下さーい!

 

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人生の確認

仕事の打ち合わせで二日間宮古に行ってきました。

朝、久松漁港から海沿いの道をずっと散歩していると、

人も車もほとんど通らない静まりかえった道を、

向こうから一人の男性が歩いてくるのが見えました。

すれ違うところまで近づいて、ふと顔を見ると、

実家の近所の先輩です。

その先輩は東京に住んでいるはずでしたが、

都会暮らしを引き払って久松に帰ってきているという噂を、

誰からとなく耳にしてはいました。

 

「アザ(兄貴)、なんでこんなところを歩いているの?」

と声をかけました。

「おいおい勇、お前でもう何人目かな」

笑いながらその先輩が言いました。

「オレは毎日ここを歩いているんだけど、誰かに会うと必ず

同じことを訊かれるんだよ。東京ではありえないことだったからさ、

子どものときはそうだったよなぁってつくづく思いながらなーんかおかしくてさ」

「久松に戻って来てるんですね」

「都会の生活にちょっと疲れちゃってさ、少し休みに来たんだよ」

「それで毎日この道を歩いてるんですか?」

「ああ、自分の人生を確認してるのさ」

ちょっとカッコつけたような照れ笑いを浮かべながら、でもどことなく寂しそうな眼をして先輩が言いました。

「人生の確認...ですか」

「そうなんだ。いろんなことがあったからさ。そうだ勇、あの丘の上から久松の海を見ようよ。オレの散歩コース、人生を確認するために外せないポイントだよ」

「僕もあそこが好きです。行きましょう」

ゆるやかな坂道を二人でゆっくり上っていきます。

歩きながら僕は、東京から戻ってきたときは自分も同じような気持ちだったなぁと、なぜかひとりでに先輩と同じような気持ちになっていくのを感じました。

「勇、ここからの眺めがオレは一番好きだ。最高だろ」

「ホントにいいですね」

「懐かしいけど、ずいぶん変わっちまったよな。あそこでいっつも泳いでいたし、この道は友だちと自転車競走をしたもんだ。あの頃の面影はもうないけどな。あの無人島だけが何も変わっていないってのが、何か皮肉だな」

「僕らもあそこで泳いだし、この道で自転車競走をしましたよ」

「ほう、お前らもか」

 

一緒に遊んだことはないのに、同じ遊びをしている。

この先輩たちがやっていたことを、僕らも同じようにやって、

同じように島を離れ、そして同じように人生を確認しに戻っている。

 

年齢だけが違うというだけで、この里を離れるまではほとんど変わらない暮らしをしていたはずです。それが島を離れてひとり立ちすると、全然違う道を歩んで、もしかしたらもう二度と会うこともなかったかもしれないその先輩と、こんな場所でバッタリ会ったかと思えば、同じ場所に同じ思い出を蘇らせ、同じような人生への思いに駆られている。何とも不思議な巡り会わせのようなものを感じずにはいられませんでした。

うちのおばぁがいっていた言葉、「己(どぅー)が根(にー)ゆ忘(ばし)なよ」

自分の根っこを忘れるなよ。

 

その言葉の意味があらためて自分の奥底に沁み入るのを感じながら、人生の確認をしに来た先輩に、僕自身いろんなことを確認させられたような気がしているのです。

 

みんな必死に生きているのだなぁ。

ではまた明日。